福岡でも開催された株式会社インプレス主催の『ネットショップ担当者フォーラム2017』に参加してきました。このフォーラム自体は11:30から18時までとかなり濃い内容で充実したフォーラムでした。その中から今回は基調講演となったGoogleサーチクオリティーチーム金谷武明氏による『今、ネットショップ担当者&Web担当者が意識すべき検索のトレンドと本質』について、まとめ考察、今後の対策などをご紹介します。

私は直接ECサイトを運営しているわけではありませんが、サポートしているクライアント企業で参加できない人も多かったので、半ば代わりに参加してきたと言うものです。特にGoogleのサーチクオリティーチームからの基調講演は、今後も出来る限り聴きに伺いたいものです。

Googleは顧客しか見ていない。国内ECサイトは3歩以上遅れている

私がGoogleサーチクオリティーチームからの基調講演を聴いた感想は、国内のECサイトやSEOは、顧客視点に立った時、顧客の動向から比べて3世代ほど遅れていると言うことです。逆を言えば、顧客動向に売り手がついていけていないと言うこと。

一歩遅れているどころか、三歩以上遅れていますので、何か簡単なことからだけでも始めれば、ライバルと差をつけ、抜きん出ることが可能だとも言えます。このことは何もGoogleの基調講演から感じたことではありません。また、別のコラムでお伝えしますが、ダイレクトマーケティング研究所長の柿尾 正之氏がモデレーターを務め、美容業界では有名な株式会社JIMOS川部氏と「豆乳よーぐるとぱっく玉の輿」で有名な株式会社スクロール360の高山氏によるパネルディスカッション内容、アプリ開発のパイオニアでもある株式会社ヤプリ金子洋平氏による講演内容も合わせ、総合的に私はこのように感じました。

では、ひとつずつ整理していきましょう。

自社サイトがモバイルフレンドリーだと把握できているのは4割

Googleサーチクオリティーチーム金谷氏の講演序盤に、参加者に向けて「自社サイトがモバイルフレンドリーなサイトかどうかを把握している人、挙手願います」とあり、ここで挙手した割合は全体の4割ほどしかいなかったのです。

すでに、モバイルファーストという言葉が日本でも使われるようになり5年が過ぎたのにもかかわらず、ネットショップ担当者向けのフォーラムで、この質問に対して手が上がらないということが、私は驚きでした。さらにモバイルフレンドリーと同等かそれ以上に昨今ECサイトは特に注意する必要がある「表示速度」やAMPに関して…AMPに関しては、実装済割合は1割弱しかありませんでした。

さらに、Googleサーチコンソールの使用率は60%程度。もちろん、そのほかのアクセス解析ツールがありますので、何かしらの解析ツールは入れていることでしょうが、デバイス別の解析を行なっているかという質問に対しても、ほとんど反応がなく、次のような図を映し出された時、「嗚於」とざわついた時には、驚きと内心ガッツポーズをしました。なぜなら、通販激戦区と言われる福岡ですらこの程度だったのですから、後続に怯えることなく、大手を打開するための施策に邁進するだけで、いままで以上にアドバンテージを取ることが可能だと判断できたからです。

サーチコンソール モバイルとパソコンを比較

この図は、松村の個人ブログにおけるGoogleサーチコンソールのデータです。月間3,000ユーザー程度の弱小サイトですが、デバイス割合はモバイル49.7%、パソコン45.8%、タブレット4.5%です。ブログの内容はマーケティング関連の記事がほとんどですので、基本的にはパソコンからのアクセスが多かったのですが、図解などはあまりありませんので近年はモバイルからのアクセスも増え、概ねモバイルとパソコンへのアクセスが同じくらいになってきました。

ただ、これは単純にモバイルでの検索が増えたと考えるのはナンセンスなんです。ここでキーになってくるのが「モバイルファーストインデックス」です。従来の検索ランキングはパソコン版のページデータをもとにランキングを決定し、モバイル版の検索ランキングも決定したと言われますが、今後はモバイル版ページをもとに検索ランキングを決定してパソコン版の検索結果を形成するというものが「モバイルファーストインデックス」です。

私が運営しているサイトは基本的にレスポンシブWebデザインで作られていますので、パソコン版もモバイル版もほとんど内容は同じです。過去流行った(警告したのに…)スマホ専用サイトなんて作っていると、パソコンサイトには存在してスマホサイトには存在しないページなどがあると、サイト内でのリンク切れが起こったりするので、このモバイルファーストインデックス上での検索結果は、悪くなるということです。おそらく、今後スマホ専用サイトを作っていた制作会社なんかには「金返せ!」ってクレームが入るんじゃないでしょうかね?こんなこと簡単に予測できた話ですから。なぜなら、ウチの松村ですら5年前には「必ずこうなる」と、言っていたんですから、予測できないほうがおかしなわけです。

ただ、あくまでも予測できたのはここまででした。サイトの表示速度が重視され、遅いサイトはユーザービリティに欠けるためランキングに悪影響を及ぼすというアナウンスが流れたのは少し前のお話。しかし、現在、サイトの表示される早さによってランキングが左右されているとは考えにくい状態にあります。

なぜなら、今回ご紹介している松村のブログは結構重いサイトなんです。

表示速度が遅いページ

Google PageSpeed Insights for モバイル

Google PageSpeed Insights for パソコン

こう言った状態にもかかわらず、サーチコンソールでデバイス別の検索ランキングを比較すると、モバイルのほうが圧倒的に上位に表示されているんです。

ただ、これだけを見ると戦略を見誤ってしまいます。

ここまでのデータを見ると、モバイルでのCTRはパソコンでのCTRに比べて2.76倍多いので、モバイルユーザーを意識した情報発信を高めることでサイトからの収益が上がるのではないかと判断してしまいます。しかし、合計クリック数はパソコン945、モバイル900と全体の5%ほどしか変わりません。また表示回数に関しては約3倍ほどパソコン版の検索ランキングの方がより多く露出しています。

CTRの差は外部要因の差と見るべし!

私たちのサイト運営のようにレスポンシブWebデザインを採用したホームページの場合、パソコン版サイトもモバイル版サイトのタイトル(検索結果に表示される表題)は、同じです。パソコン版サイトとモバイル専用サイトを運営している場合なら、モバイル検索では表示される検索キーワードはあるもののパソコン版のランキングには顔を出さないページなどもあるかもしれませんが、レスポンシブWebデザインなら、そんなことは起こりえません(無駄に考える要素を一つ減らせるってことですね)。

コンテンツも同じ、タイトルも同じなのにパソコン版やモバイル版のCTRに大きな偏りが生まれているということは、それぞれの上位表示しているリスティング広告掲載に違いがあるのではないかと考えられます。

例えば、基本的にパソコンからのコンバージョンが多いキーワードに関して、広告出稿の少ないモバイル版検索結果で上位表示している(かも)と、言うことです。それを裏付ける証拠として、このサイトは9対1でパソコンからアクセスされています。実はこのサイト今のところ、松村の個人ブログより圧倒的にトラフィック数は低いのですが、コンバージョン率は3倍ほど高いんです(笑)。

このように、ただ単にサーチコンソール「だけ」を使って、パソコンとモバイルを比較しデバイスごとの戦略に手を加えるのではなく、コンバージョン率やCTRや表示回数に違いが出ている理由を考えながら対策を講じてみてください。

そして、そう考えると「表示速度」に関する検索ランキングへの影響とAMP対応を呼びかけるGoogle、そして、AMPを実装しない激戦地区福岡の実態が見えてきます。

福岡のEC猛者たちは、すでにGoogleのほうなんか見ていない?

確かに、松村がブログで先日ご紹介した『Google Markting Next 2017』でも、ページの表示速度に関して、サイトのパフォーマンスが悪いサイトから79%が再購入しないと答えたり、ページの読み込みが1秒から10秒になると離脱率が123%増加するなど、モバイルに関する表示速度と収益に関するデータが出ており、ページの表示速度を改善することは有益なようにも思えます。

しかし、レンダリングブロックしているJavaScriptやCSSの改修には専門技術が必要となり、予算の関係上、そこまで手を回せない企業サイトも少なくありません。そこを踏まえてGoogleサーチクオリティーチームでは現在AMPの普及に努めているようなんですが、現実問題AMPが検索ランキングの要素になっていない以上、収益性を鑑みれば、それ以外の施策にコストと時間を割くことが考えられます。

今回私が参加した「ネットショップ担当者フォーラム2017」への参加属性を全て私が把握しきれているわけではありませんので、一概に断言はできませんが、自社サイトがモバイルフレンドリーなサイトかどうか、AMPを採用しているかどうかなどのGoogleの都合に合わせるような施策を多くの参加者が意識していないために、冒頭のような結果(自社サイトがモバイルフレンドリーなサイトだと認識している4割。AMPを実装している1割、サーチコンソールを利用している6割)になったのではと考えられます。








加えて、JIMOSとスクロール360のパネルディスカッションでは、SEOの話などは一切出てきませんでした。広告の話は出てきましたが、それはFacebook広告の類似オーディエンスに関する話でした。マーケティング・オートメーション的な話題も出てきましたが、年商50億くらいまではエクセル管理で十分だという話題も出ていました。この考え方には、私も同意します。経験上もう少し低い額までしか経験はありませんでしたので、50億までエクセルで十分という話を聞くと、今後ますます施策が楽になります。

AMPというのは、通常のサーバーではなくAMPサーバーにキャッシュ情報が蓄積されます。そのため現在は検索ランキングに影響を及ぼさせることができません。ランキングを決定つける要素としてAMPの有無を使えないというわけですね。手が回っていないとも考えられます。ただでさえ毎日何億ページも増えている現状に加え、音声検索などに検索結果を対応させようとすれば、スパコンを使っても追いつかない次元に達しているのでしょう。

そこにきて、ウェブコンテンツとはまた性格が異なるアプリが登場し、アプリはまたアプリでの検索市場が存在し、ウェブ検索からアプリ検索へと年々移行しているとも考えられるため、Googleは毎日増え続ける「重いページ」の是正に乗り出さなければ、検索離れが顕著になると考えているのではないかと考えられるわけです。

そのため、GoogleはPWAという「WEBサイトをアプリ化する新たなプロジェクト」を進めています。おそらくこのプロジェクトが完成すればPWA対応サイトは現在のもモバイル対応サイト同様に検索ランキングを決定する要素として取り扱われるようになることでしょう。

今の段階では「モバイルファーストインデックス」ですが、近い将来「PWAファーストインデックス」に変わっていくことでしょう。

と、言うことで…

AMPよりもPWAに関して知見を広め対応することが、今後のEC サイトには求められるのではないかと考えます。

ただ、私たちはECサイトよりも「集客サイト」を得意としますので、現在多少混沌としているGoogle検索に最適化させることよりも、あなた自身の顧客にフォーカスしたウェブ活用が優先されると考えます。

怪しげな「SEO対策」ではなく、Googleがシンプルに願っている「検索者に有益な情報発信」を心がけ、問い合わせを獲得し、ネットではなく来店や電話などを通じて関係性を深め、コンバージョンさせると言う動線が今後はますます重要になってくることでしょう。

今回は『ネットショップ担当者フォーラム2017』基調講演「今、ネットショップ担当者Web担当者が意識すべき検索のトレンドと本質」を元に、その内容を分析し、私たちが携わってきている環境に置き換えてコラムにまとめましたが、このフォーラムでプレゼンが行われた『Amazon pay』や『ヤプリ』のプレゼンなどは、新規客をどこで見つけ、いかにコンバージョンさせ獲得した顧客に対して、どのようにロイヤルカスタマー対応を行い固定化するのかといった「商いの本質」が、語られていたのではないかと思います。もし、今後、あなたがビジネスを行なっている近くでインプレス主催のウェブ関連フォーラムが開催されれば参加してみてはいかがですか?きっと役に立つ情報が満載だと思います。

ECサイトの状況を把握して、集客サイトの今後を考える

現在、私はECサイトを運営しておりません。EC系のクライアントの割合も集客サイトの割合から比べるとかなり少ないですし、ECサイト系のクライアントに関しては特にSEOの話なんてしなくなって、早数年が経ちます。

松村(左)

ECサイトは特に「テスト」と言う領域に対して意識が高いので、サイトを改善すると言う習慣が身についているんですね。

それだけライバルが多いですから、いかに早く改善を行なって、いかに早く顧客にリーチし、ロイヤルカスタマー化させることをECオーナーは意識できているわけです。それに比べて集客サイトのオーナーの場合は、商材やサービスがリピート性に欠けることから、常連顧客への対応という意識が低い傾向があります。また集客サービスの多くが「役務の提供」のため顧客がリピートする理由を明確にしにくい点でも、利益率の確保が難しいと感じているオーナーは少なくないようです。

そのため、私たちは集客サイトにECサイトのノウハウを持ち込むことで、メーンのサービスを提供するまでのステップを顧客に提供する流れを作り出すお手伝いをしています。あからさまに物販を始めるのではなく、ネット通販を初めて収益源を増やすということではありません。集客系ビジネスを行なっているオーナーが物販を始めるために最適なのが出版です。そのため私たちは従来の出版とは異なる「新たな出版のカタチ」として、出版事業を立ち上げ「ウェブ屋が始めた出版」として、集客サイトオーナー様のウェブ活用を支援しています。

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